ぼくとポチが知り合ったのは、お互いがずいぶんと年齢を積み重ねてから。
その間に、ポチにもいろいろなことがあったんだよね。
そんなことはわかっているつもりだたんだけど・・・。

ぼくはただ、純粋に恋をしただけなんだ。
単純に愛情を示し、行動し・・・。
決して、ポチを苦しめるつもりも、困らせるつもりもなかったんだ。
でも、結果として、ポチに迷惑をかけて本当に申し訳ないと思っているよ。
ぼくがいなかったら・・・とか、
あのとき、もう少し自省していたら・・・とか、
思わない日はないんだよ、ポチが苦しみを吐露するたびに。

それでも、愛さえあれば・・・なんて、子どものように思っていたんだ。
愛があっても解決しないことなんて山ほどあるんだよね。

いろいろ考えているんだよ。
ずっとね・・・
これからどうしたらいいんだろうって。

まだ手も握っていないあの頃のほうが、
きっと今よりはポチは幸せなんだろう。
そう思うと、とても辛いよ。

ぼくはね・・・
ただ、ポチの笑顔を見たいだけなんだ。
ううん、実際に見れなくてもいいんだ。
ぼくが大好きなポチが、どこかで幸せに暮らしているのなら、
少なくとも今ほど泣く日が少ないのなら、
それで満足なんだ。

どうしたら、ポチは笑うんだろう?

もっとポチを拘束した方がいいと思うこともあった。
命令してそれに従わせることで、ポチが悩むことを減らせると思うこともあった。
でも、そうじゃないことはわかった。

ポチの笑顔がどんどん減る。
ぼくに対する苛立ちがどんどん増える。
どうしてこんな風になったんだろう・・・

もちろん、ぼくが悪いんだけど・・・

せっかく「ご主人様」と頼りにしてもらっていたのに、
信頼を裏切ってしまったんだよね。
情けないし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

これじゃあ、「ご主人様」は失職どころか、永久追放だよね。

傷つけた言葉、
傷ついた心、

たくさんあるんだよね。
ぼくが残したものが、そういったことだらけだと思うと、とても辛いです。
もちろん、ポチの苦しみの方が、ずっとずっと大きいのだろうけど。

許してください。
そして、ぼくに対する苛立ちが、少しでも少なくなる方法があるのなら教えてください。
消えていなくなっても、記憶と苛立ちは残るよね。
記憶からも消え去ることができれば、いいのかもしれないけど。
でも、神ではないぼくに、それは不可能なんだ・・・。

追伸
住んでいた住所を教えないつもりなんて全然ないよ。
聞いてくれれば、なんだって教えるよ。
ただ、そういうことさえ聞くことができない状況をぼくが作ってしまっていたのかもしれない。
それはそれで、悲しいよね。ごめんね。

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