ふと思うのだが、
ポチには修道女の趣がある。
あの、白と黒の衣に身を包み、病者や貧者をいたわることを常とし、賛美歌を捧げる。
何よりも精神性を尊び、
純粋なるものをこよなく愛し、
そしてときに、自分の肉欲に憎悪する。
最後の審判の日に、罪に裁かれることを恐れ、
白と黒の衣の中に身を隠し、リスのように怯える。

今日のポチは美しかった。
今日の服装を、今思い出そうと思っても思い出せないのだが、
山の上のラウンジで、コートを脱いだ様子を見て、よく似合っていると思った。
でも、なぜか告げるタイミングを逃がした。

ポチはよく、何か話せと言う。
黙っていると、「怒っているのですか?」と言う。
そんなわけないのだが。

それから・・・、
たくさん話した後に「今日は話がかみ合わなかった」と言われた。
あれだけ話していて、かみ合わなかったわけがないと思うのだが・・・。
しかし、きっとポチにはそうなんだろう。
つまり、二人が共感するところがなかったとか、同じ意見でなかったということなんだろう。
ただ、お互いが自分の意見を主張すれば、食い違うのは当たり前だ。
根本的な価値観に、そうずれはない様に思うのだが、考えてみると一致する意見というものはあまりないように思う。
もちろんぼくも、できることなら「すべてがぴったり」を望むが、ポチは「ポチ」でありながら「ご主人様」に服従することがまったくできないので、しかたがない。
まあ、こういうポチが世の中に一人くらいいてもいいと思う。
間違っても「愛奴」とかではないな。
ぼくたちの場合は、ポチが愛奴になりたければ「そのときだけ愛奴」って感じかな。

そう言えば、今日ポチが使い込んだ下着をくれた。
一応、命令には従ってくれたわけなんだけど、
ただ、その前にポチを抱くことを拒まれたんだよね。
つまり、これで我慢しなさい、というわけか?
これってさあ、逆じゃない?
抱かせてはもらえない男ポチが、女御主人様からもらったパンティーを匂わせていただき喜ぶ図・・・。
きっと、パンプスで踏んでもらったりするんだよね。
踏まれるのかな〜?

冒頭の話に戻すけど、
今日、しみじみと思ったんだよね。
きっと、たぶん、
ポチは、オーケストラで共に一体感を感じあう、そういう恋人が欲しいんだろうな〜って。
「今日の演奏は、バッチリ決まったよね?」
「ウンウン☆」
とか・・・。
もう何年かすると、そういうことができる環境にいるかもしれない。
地域のオーケストラとか。

医者で、バイオリニストとか、ね。

あっ、何だかすごく現実的。

ぼくの精神は気高くないので、
ポチとのセックスで一体感を感じあいたいのだけれど、
こう文章で書くと、オーケストラの一体感に比べてはるかに陳腐な気がするんだよね。
はるかに大事なことだと思うんだけど、気のせいなのかもしれない。どうでもいいことなのかもしれない。
なんだか、自信なくすな〜。

しばらく禁欲しようかな〜
修道士みたいに。
意味ないか・・・。

あとぼくにできることと言えば、
美味しいものを食べに連れて行くことくらいかな。
どこかにいいところないかな〜
チョコとかケーキとか、だよね?

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