ポチの「自分の部屋で過ごす自分の時間」ってステキだったんだね。

自分でひいて飲む珈琲。
紅茶のあるティータイム。
チョコレートとちょっぴりのお酒。
音楽を聴きながら本を読む日曜日の朝。
朝の散歩。
夜中のドライブ。

ガラスの小物。
陶器の人形。

綺麗な洋服。
可愛い下着。
甘い香りの香水。

ぼくの場合、「自分の部屋」はあっても、「自分の時間」はあまりなかった。

高校生の頃までは、古い家に住んでいてね。
小学生の時は、妹と同じ部屋。
ところが、中学生になって、急に「自分の部屋」を作られた。
というか、追いやられた?
というのは、新しい「自分の部屋」は、生まれて2回しか足を踏み入れたことがなかった「裏の2階」。
床の間に鎧があるんだよね。
とても怖くてね、起きている間、「表」にいた。
寝る時だけ「自分の部屋」。
でも、最初は怖くてなかなか眠れなくってね。
ただ、そのうちオナニーを覚えてね。
射精すると、すぐに眠れることがわかって・・・。
だから、毎日、オナニーして寝てました(笑)。

というわけで、「自分の部屋」で勉強することなんてなくてね。
もっぱら本ばかり読んでいました、居間で。
だから、たまに「勉強する」と称して、
今住んでいる場所に昔あった「ゲストハウス」に、学校の帰りによっては・・・Hしてました(笑)。

Hして射精した日には、
夜に射精するのが困難で、無理矢理オナニーして寝てました。
怖くて(笑)。
これがけこう大変でね。
(昔から絶倫にはほど遠いんだよね。)
だから、Hしても射精しないようにしたり。
おかげで、中学生の時から、女性を逝かすことが趣味になったり。

まあ、こんな生活が高校卒業まで続くから、
浪人するのも仕方ないか〜、みたいな感じかな。
でも、英単語だけはゲストハウスで憶えまくったんだけどね。

浪人中は、住んでいたところが予備校の目の前だったから、ぼくの部屋は「溜まり場」に。
だから、「怖くない自分の部屋」はできたけど、「自分の時間」なんてなかった。
で、大学生になったときに、二度と「溜まり場」にならないように、大学から距離のある、人目に付かない、せまい路地の奥の端に下宿先を構えた。
が、しかし、どういうわけか、もっと「溜まり場」になった。
勝手に合鍵を作られて、知り合いどころか、知らない奴までみんな部屋の鍵を持っている状態。
それに、どうせいつも誰かいるから、鍵をかける意味がなくなり、いつの間にか、部屋の鍵が錆びついて、鍵をかけられない状態になった。

長年「溜まり場」に通っていた男の一人が、ある日、「おまえ、いつもこの部屋にいるけど、どこに住んでるの?」と真顔で言われた時には笑ったもんだ。

おかげで、1人になれるのは、午前中の喫茶店と、3時過ぎからの大学図書館。

今は「自分の部屋」すらなくなり、
蔵でコーヒーと煙草と本の時間もなくなり、
ポチと同じで「自分の部屋」も「自分の時間」もなくて。

こうやって、仕事場のパソコンをいじっているときだけが、自分の時間かな。

いつか、どこかに安くてもいいから、アパートでも借りて、
ポチと過ごす部屋ができたらいいな〜、なんて思ったり。

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