魂の触れ合い

仕事の話をしたくないというのは、本当だけど、
でも、それだけの意味ではない。

仕事にだけでなく、
ぼくの頭の中では、何かがいつも思考し計算してる。
シナプスを電流が走り、脳を休めることがない。

でも、ポチと抱き合っている時間だけは、頭の中が「空」になれる。
ゴチャゴチャした価値観や哲学や数字や、そういったものから開放されて、
もっと本質的な何か、
もっと純粋な何か、
そういったものの海の中で泳ぐことができる。
いや、漂うというべきか。

そういう時間を過ごしたいから、
表の世界の雑事に時間を奪われたくない。
逢える時間が短いから、
抱き合う時間が甘美だから、
早くその時間に身を漂わせたくて、
仕事の話があまりにリアルな日常過ぎて、
つまらなくて、
だから、
そういう話をする時間が無駄に思える。

もっと大切なこと、
魂と魂が触れ合うような、
そういう時間が待ち遠しくて、
そういう時間に比べると、日常があまりにモノクロで、乾燥していて、干からびて。

ポチの秘部からあふれ出る液体が、ぼくの指に絡み付いてくるとき、
乾燥した心に潤いが戻る。
ぬめぬめとした感触が、生気を蘇らせる。

仕事の話なら誰とでもできる。
ぼくはね、
ポチとはポチとしかできないことをし、話し、微笑み、愛し合いたいんだ。
言い古された言葉だけど、
「二人だけの世界」
で、漂い、意識を失いたいんだ。

ポチならわかってくれるよね？