独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
2007年5月12日 ご主人様のつぶやき今日、公務員試験受験予備校時代の生徒で、総務庁行政評価局で働いている元生徒から医薬品医療機器総合機構質問メールが来たので、ポチとのデートで眠いのに、今まで解答メールを作成していた。
官僚だけに教えるのもったいないので、ここにも転記しておこうと思う。
ついでにいうと、行政評価局というところは、「政策評価」、「行政評価・監視」、「独立行政法人評価」、「行政相談」の四つが業務の主要な柱です。わかりやすくいうと、官庁や独立行政法人などが、予算に応じた仕事をちゃんとしているかとかを監督しているところです。
彼には、怠惰な国立大学の無節操ぶりについてもいろいろ教えてもらったりもしている仲です。
【前提知識】
「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」は、平成16年4月に設立され、「健康被害救済」・「審査」・「安全対策」の三つの業務を柱としています。
詳しくは ↓ を見てください。
http://www.pmda.go.jp/index.html
http://www.pmda.go.jp/guide/greeting.html
*******
授業でも言及しましたが、医薬品医療機器総合機構の最大の問題点は、「新薬等の承認審査」と「市販後の安全管理」と「被害者救済業務」を同じ機関が行っていることです。
そもそも、サリドマイド、スモン、薬害エイズ発生等の反省から旧厚生省は、旧薬務局を解体し、薬剤承認部門(旧審査管理課等)と安全監視部門(旧医薬局安全対策課、監視指導課等)を分離しました。にもかかわらず、「行政改革」のどさくさに紛れて、これらを再統合したのみならず、被害者救済業務まで取り込みました。
自ら承認した薬剤を、自らが監督しているわけです。しかも、被害者救済をする前提として、薬剤に問題があることを認定する必要がありますが、それは自分たちの承認のミスを認めることを意味します。自らのミスを、そうやすやすと認めるでしょうか。
はっきり言って、むちゃくちゃです。
また、もう一つの問題点は、資金源です。
確かに、被害者救済資金について、製薬企業等からその規模に応じて拠出させた納付金によってまかなっている点については、評価できます(FDAのマネだけど)。
しかし、当機構の予算を医薬品承認申請の審査料に依存しているのは、大問題でしょう。詳しくはそちらの資料で調べてもらうとして、わたしの概算では、予算全体の約90%程度を審査料に依存しているはずです。FDAも同じことをしていますが、約50%程度のはずです(これも大問題ですが)。
(行政評価局の管轄外ですが、WHOの予算の約70%が実は寄付金でまかなわれています。たぶん、その寄付金の多くは製薬企業が占めているものと思われます。)
つまり、世界的にも、国内的にも、製薬企業の資金を受けて、薬剤承認や監督をしているわけですから、狐に鶏の番をさせているのと似たような状況を、構造的に抱えているわけです。
新薬剤の承認は迅速性が今よりも要求されます。それは必然的に、副作用等の薬害を招きやすくなるということを意味しますが、それはそれでしかたないでしょう。
しかし、薬害が発生したら、その救済を確実かつ迅速に行われる必要があります。また、薬害が発生しないように、市販後の監督も厳格に行われるべきです。
とするならば、「新薬等の承認審査」と「市販後の安全管理」と「被害者救済業務」は絶対に分離されるべきです。
なお、行政評価局の権限外の問題ではありますが、ぜひ意見として乗せていただきたいことが二つあります。
一つは、薬剤師にも医師の診断に基づく処方の権限の一部が与えられるように、薬事法等を改正すべきことです。アメリカのように薬剤師が患者さんに相談され、医師の診断を受けるべきか試売の医薬品を使うべきか判断するような権限や今の医師の処方権に対して薬剤師も薬の選択権のような裁量を与えるべきだと思います。薬剤に関しては、薬剤師の方が詳しいのですから(まあ、どうしようもないほど知識のない薬剤師がいるのも事実ですが、医師もほとんどは、薬剤の知識を製薬会社から仕入れているだけで、製薬会社関係の人に言わせると「カモ」らしいので。)
もう一つは、薬剤を患者さんに渡す際に、初回に限っては、いわゆる「添付文書」を薬剤に添付することを薬事法等で義務付けることです。薬剤の情報を患者さんに文章で知らせることなく服用させるのは、問題ありでしょう。従来よりも新薬の承認を迅速に行うためには、ある一定の副作用は不可避です。薬剤の危険性をわかってもらった上での薬剤の服用が必要と考えます。
授業でもたびたび指摘しましたが、制度的には、建設業界と医療・医薬品業界がもっとも古色蒼然としています。行政評価局として、そのあたりに注意して、少なくなっている国家予算をいかに有効活用すべきか、考えていただきたいです。はっきりいって、製薬会社の思惑で薬剤の国内消費量が多すぎです。このままでは、国家予算は薬剤で破綻します。
官僚だけに教えるのもったいないので、ここにも転記しておこうと思う。
ついでにいうと、行政評価局というところは、「政策評価」、「行政評価・監視」、「独立行政法人評価」、「行政相談」の四つが業務の主要な柱です。わかりやすくいうと、官庁や独立行政法人などが、予算に応じた仕事をちゃんとしているかとかを監督しているところです。
彼には、怠惰な国立大学の無節操ぶりについてもいろいろ教えてもらったりもしている仲です。
【前提知識】
「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」は、平成16年4月に設立され、「健康被害救済」・「審査」・「安全対策」の三つの業務を柱としています。
詳しくは ↓ を見てください。
http://www.pmda.go.jp/index.html
http://www.pmda.go.jp/guide/greeting.html
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授業でも言及しましたが、医薬品医療機器総合機構の最大の問題点は、「新薬等の承認審査」と「市販後の安全管理」と「被害者救済業務」を同じ機関が行っていることです。
そもそも、サリドマイド、スモン、薬害エイズ発生等の反省から旧厚生省は、旧薬務局を解体し、薬剤承認部門(旧審査管理課等)と安全監視部門(旧医薬局安全対策課、監視指導課等)を分離しました。にもかかわらず、「行政改革」のどさくさに紛れて、これらを再統合したのみならず、被害者救済業務まで取り込みました。
自ら承認した薬剤を、自らが監督しているわけです。しかも、被害者救済をする前提として、薬剤に問題があることを認定する必要がありますが、それは自分たちの承認のミスを認めることを意味します。自らのミスを、そうやすやすと認めるでしょうか。
はっきり言って、むちゃくちゃです。
また、もう一つの問題点は、資金源です。
確かに、被害者救済資金について、製薬企業等からその規模に応じて拠出させた納付金によってまかなっている点については、評価できます(FDAのマネだけど)。
しかし、当機構の予算を医薬品承認申請の審査料に依存しているのは、大問題でしょう。詳しくはそちらの資料で調べてもらうとして、わたしの概算では、予算全体の約90%程度を審査料に依存しているはずです。FDAも同じことをしていますが、約50%程度のはずです(これも大問題ですが)。
(行政評価局の管轄外ですが、WHOの予算の約70%が実は寄付金でまかなわれています。たぶん、その寄付金の多くは製薬企業が占めているものと思われます。)
つまり、世界的にも、国内的にも、製薬企業の資金を受けて、薬剤承認や監督をしているわけですから、狐に鶏の番をさせているのと似たような状況を、構造的に抱えているわけです。
新薬剤の承認は迅速性が今よりも要求されます。それは必然的に、副作用等の薬害を招きやすくなるということを意味しますが、それはそれでしかたないでしょう。
しかし、薬害が発生したら、その救済を確実かつ迅速に行われる必要があります。また、薬害が発生しないように、市販後の監督も厳格に行われるべきです。
とするならば、「新薬等の承認審査」と「市販後の安全管理」と「被害者救済業務」は絶対に分離されるべきです。
なお、行政評価局の権限外の問題ではありますが、ぜひ意見として乗せていただきたいことが二つあります。
一つは、薬剤師にも医師の診断に基づく処方の権限の一部が与えられるように、薬事法等を改正すべきことです。アメリカのように薬剤師が患者さんに相談され、医師の診断を受けるべきか試売の医薬品を使うべきか判断するような権限や今の医師の処方権に対して薬剤師も薬の選択権のような裁量を与えるべきだと思います。薬剤に関しては、薬剤師の方が詳しいのですから(まあ、どうしようもないほど知識のない薬剤師がいるのも事実ですが、医師もほとんどは、薬剤の知識を製薬会社から仕入れているだけで、製薬会社関係の人に言わせると「カモ」らしいので。)
もう一つは、薬剤を患者さんに渡す際に、初回に限っては、いわゆる「添付文書」を薬剤に添付することを薬事法等で義務付けることです。薬剤の情報を患者さんに文章で知らせることなく服用させるのは、問題ありでしょう。従来よりも新薬の承認を迅速に行うためには、ある一定の副作用は不可避です。薬剤の危険性をわかってもらった上での薬剤の服用が必要と考えます。
授業でもたびたび指摘しましたが、制度的には、建設業界と医療・医薬品業界がもっとも古色蒼然としています。行政評価局として、そのあたりに注意して、少なくなっている国家予算をいかに有効活用すべきか、考えていただきたいです。はっきりいって、製薬会社の思惑で薬剤の国内消費量が多すぎです。このままでは、国家予算は薬剤で破綻します。
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