華原朋美

華原朋美

ずっと昔、コンビニで働いていた時に、彼女の熱烈なファンがいた。
それで知っている程度ではあるが、
そのせいで、「華原朋美」という人間には、少なからず興味を持ていた。
個人的には、まったく魅力を感じないが。

彼女は、薬物中毒らしい。

世界は魅力的な無数とも言える異性で溢れている。
ところが、どういうことだろう、無数の異性がいるというのに、一部の人は、ある特定の人と一緒でなければ生きられない、と思う。そうした＜恋愛＞の魔力というのは、生物学的に観て、どういった意味をもっているのだろうかと思う。
つまり、この華原朋美の問題なのである。

世界には小室哲哉以外にも素敵な男性はゴマンといる。
ところが、華原朋美は小室哲哉がいなければ生きてゆけないという。
珍しい話ではない。
モディリヤーニが死んで、ジャンヌは何故6階から身を投げて死んだのか？　それは彼女がモディリヤーニなしでは生きられなかったからである。
カミューユ・クローデルはどうして精神を病み、30年間も劣悪な環境の精神病院から抜け出すこともできずに死んでいったのか？それは彼女がロダンなしでは生きられなかったからである。
ダリもガラを依存症的に愛し、裏切られるたびに身悶えして苦しんでいた。
不思議なものである。この地球上には異性は何億何十億といる。一人がダメなら他の異性を探せばいい……ところが、それができない人がいる。

魔力と呼び、運命と呼んでもいいけれども、たった一人のこの人でなければ生きられないという感情を持てる人がいるのである。魔力・運命、というよりも、狂気、と呼んだほうが相応しいかもしれない。愛と狂気をひっくるめて、情熱、と呼ぶことができる。
情熱をもって人を愛した人は決して少なくはない。
しかし、圧倒的多数は、情熱を知らずに、死んでゆく。身を焦がすような恋を一度もしたこともなく、流されるままに生き、「人生なんてこんなもんだろう」とみくびって生きて死んでゆく人が殆どだろう。
だから、そうした情熱を知らずに死んでゆく人間よりも、華原朋美は幸せなのかもしれない。

いや、そんな情熱を知らずに、平穏に生きて死んでゆく方が幸せなのかもしれない。
人の幸せは人それぞれだから。
ただ、そんな情熱を知らない人が、彼女のことをバカだというのは止めた方がいい。