たくさんの時間

たくさん時間があれば、いろいろなことができる。
セックスだって、ドライブだって、食事だって。
食事だって、たまには大好きなポチの手作りのものを食べてみたい。
ゆっくりとした時間のなかで、少しお酒を飲みながら、とか。

ただ、いつだってポチを抱けるのなら、これほどポチを抱きたいとは思わないのかもしれない。

最近、からだの衰えを強く感じる。
ポチに逢わないとき、ほとんど性的興奮を感じることもなくなった。
ときおり、無性にポチを抱きたくなるが、それは精神的なもので、からだが反応するわけでもない場合が多い。
視力が少し怪しい感じもする。
単なる老眼だけでもないような気もする。
祖父が50歳前で失明したことをふと思い出したりする。

もし将来、失明することがあったら、網膜に焼きついた「大きなおなかのポチ」をいつも思い出すんだろうな。
最近、淋しい顔のポチしか見ていない気がするから、がんばって元気出してもらおう。
そして、笑顔のポチを網膜に焼き付けておきたい。

ペニスが勃起しなくなっても、性欲って残るのだろうか。
性欲が残っていたとしても、役立たずになってしまえば、お部屋に誘う勇気もなくなるんだろうな。
今の段階では、パイアグラとか嫌悪の対象でしかないけど、
そのときが来たら、わらをもすがる気持ちで病院にもらいにいくのかもしれない。

ポチは自分で「年をとった」、というけれど、まだまだ若い。
ぼくの使用期限は、もうどのくらい残っているのだろうか。
ポチのからだに触れば、いつまでも使用可能状態でいられるのだろうか。